2024年からスタートした企画です。
オンラインセミナーは基本的に夜に開催していますが、みなさんは仕事の後だったり家事に追われたりしてお疲れのところ、一緒に勉強したいと思ってくださってご参加いただいております。
90分のセミナーだとどうしても時間の確保が難しい、集中力がもたない、どこが重要だったのかわからなくなるなどのデメリットもありました。
実際に人が集中できる時間は40分程度という説もあります。
そこで少しでも参加しやすく、ぎゅっと要点をしぼってちょこっと学べるセミナーが良いのではないかと思い企画したのがちょこっとセミナーです。
第1回目のクイノーの肝区域、第2回目のびまん性肝疾患(B-modeでみる)はみなさんから今までいただいていたアンケートから要望が多かったものを行いました。
次回、第三回は「総胆管描出のコツ」です。
初学者にとってもちょっと慣れてきた方にとっても総胆管を描出することに困難を感じている方が多いようです。
意外と「こう出さなければならない」という固定観念にとらわれている方が多いこともその理由かと思います。
今回はその固定観念を払拭し、どうやったら観察していけるのかをお話します。
毎回「プローブ走査」をみたいという要望がありますので手元の動画も一緒に提示します。
プローブ走査のみどころは持ち方、圧のかけ方、プローブの回転の仕方です。
人によって微妙にではありますが至適なアプローチポイントは異なりますので、ここにあてればでる!といった類のものでないことは注意してください。
しばらくアンケートフィードバック記事作成を行っていませんでした。必要と思われる質問については個別に回答いたしました。あまり私のサイトを見てない方もいらっしゃるだろうと思い、そのようにしましたが、他の方にも共有したい質問と回答についてはまた記事にしていこうと思います。
たまに「参考書的な内容が知りたいのではない、画像をいっぱいみたい」という要望をいただきます。
前提条件として「参考書の内容を理解している」ことで、画像をみたときにその判読が可能となるものだと思います。
セミナーには多くの方が参加していますので、まず「前提条件」を整えなければ画像をみていただいてもよくわからないまま時間がすぎる可能性があります。
今後も、まず「参考書的な内容」を共有したのちに画像をみる流れになると思いますのでご了承ください。
画像をいっぱいみるセミナーは「症例検討」となります。
多数の症例の多数の画像をみたいのだと思いますが、服部の考えとしてひとつの症例で得た画像をじっくりと考えながら判読することの方が次に活きると思っております。
この考えは人それぞれですが、じっくり考えて得た経験や知識の方が実際に検査するときに本当にその判断で良いのかなど考えることができて、結果として患者んさんにとって有益な検査につながるのではないかと思っております。
とはいえ、たくさんの画像をみて、それを糧に瞬発的な判断力を養うことも大事ですよね。
基本的に超音波検査の参考書などではほぼチャンピオンデータ的なその症例の所見が明らかなものしか載っていないことから、たくさんの画像のデータベースが難しいことを考えてみたのでここからつらつらと考えを書いてみようと思います。
実際に検査しているとき、参考書のような明らかな所見がしっかりと得られることはそんなに多くないと思います。私はその代表的なのが肝血管腫かと思います。カメレオンサインやWax and wane signがしっかりとだれが見ても明らかなように得られること、そんなにないですよね。とすると、他のモダリティで診断がなされたものに対して超音波検査を行ってフォローし、他のモダリティで肝血管腫だと言われているからそのように記載して変化を観察するパターンの方が多いかと思います。(もしこれを読んでいる方で、カメレオンサインなどの輝度変化が明らかでないけれども背景肝や年齢に応じて判断している方がいたらベテランかつ私の超音波に対する思想とは異なるのかなと思います。)
そうするとこれが肝血管腫ですよと画像をたくさんみせようにも、超音波的にはただの高輝度腫瘤にしかみえず、肝血管腫としての所見が乏しいようなものばかりをみることになります。そうして「高輝度腫瘤=肝血管腫」となってしまってはよろしくないのではないかということであまり多くの画像をデータベースのように勉強している方に提供できないのではないかと思います。
実際の検査では本当に判断に迷う症例の方が多いと思います。
その迷う症例を一緒に考えてより良い判断にしていこうというのが症例検討会です。
また、ここはしっかりと強調しておきたいのが「超音波検査画像」は患者さんの身体をうつさせてもらって得られるデータです。扱いには注意が必要です。誰でも彼でもはいどうぞとみせていいものではありませんし、だれの画像でも利用していいものではありません。
施設によっては施設の取り決めとして倫理委員会などの定めた方針で運用しているところもあるかと思います。
私は患者さんに教育コンテンツとしての利用を同意していただいた画像のみを使用しております。そのため、こんな画像がみたいと思ったとしても同意が得られていないものは提示できませんし、逆にそれをみることができるというのは患者さん自身も検査者の教育に同意してくださった結果です。
ここへの感謝は忘れずに、一つ一つの画像を大事にして学んで、その知識や技術を別の方の検査に活かすことで良い循環を作っていきたいと私は考えております。
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