遅くなってしまいましたが、2023年5月12日のフィードバックです。
この日は膵臓の観察法について学びました。
体位変換を駆使することや圧迫に気を付けることが大事です。
例えば一般的にみえにくいとされる膵尾部ですが、仰臥位のままだとたしかに追い切れていません。
どうしても胃の後ろにあることや体表から遠くなるためにぼやけてしまいます。
そこで右側臥位にしてアプローチすると…
仰臥位ではみえなかった膵尾部がしっかりみえるようになります。
すべてみえたつもりになることは危険ですが、体外式腹部超音波検査でなるべく膵臓を観察するように努力することはとても大事なことだと思います。
膵癌(浸潤性膵管癌)は初期症状が乏しく、進行してからみつかりその時には治療法が限られる…というのは医療従事者以外の方々にも広く知るところとなりました。
実際に検査をしていて膵臓を気にされる方は多いように感じます。
EUSや造影CTとは異なり、身近にあって簡便に受けられる体外式超音波検査だからこそ検査を受けて良かったと思ってもらえるように日々努力が必要に感じます。
※提示した画像はすべて使用に関する同意を得ております。
ここからがアンケートフィードバックです。
・膵臓に苦手意識があったが少しわかってきた
とてもわかります。私も初学者のころは膵臓がどこにあるのか、どううつしたら良いのかわからなくて悪戦苦闘していました。当時は現在ほどのオンラインコンテンツもなく、行き着いたさきがCTの参考書でしたので、今回もCT画像等も利用して話してみました。
少しずつ膵臓に慣れて、実際の検査では患者さんにとって良い検査を目指していきましょう!
・体型によって思った位置に膵臓が描出されずに戸惑う
やせ型の方、ふくよかな方でまったく位置が違いますよね。
位置を変えてしまう要因は皮下脂肪や内臓脂肪、胃の大きさなどもあります。
しかし血管、十二指腸との位置関係は基本的には変わりません。
上腸間膜動脈の近傍に存在していること、膵臓にグローブにようにつかまれていることはどんな体型でも共通ですので、そこを手掛かりに探していくと良いです。
また、圧迫はとても重要です。ふくよかならばより強い圧迫を「ちょっと強くおさえさせてください」と患者さんに伝えてから行うと、意外とすっとみえてきたりします。
・機器設定・画質調整を教えて欲しい
こちらはまたセミナーとして組む予定です。またセミナーとして行う時にはアナウンスがありますのでよろしくお願いいたします。
・腹部血管動態。血管関連疾患について聞きたい
細かい血管の解剖などは実際のところ必要とする施設が多いわけではないかと思います。
それこそ血管自体の疾患だったり、膵癌の浸潤がどの血管にまであるのかを評価する際に必要となると知識かと思います。
そうしたときに私はどちらかというと「初期診療」にあたるクリニックメインでの検査を行っているため「精密検査・術前術後評価」がメインとなる総合病院・大学病院ほど、症例が豊富ではありません。
腹部大動脈瘤や上腸間膜動脈症候群、ナットクラッカー症候群、腸骨領域での閉塞性動脈硬化症などは経験しますが、おそらくより詳細なものを求めていらっしゃるのかと思います。
くまのこ検査技師塾にはそのあたりのプロフェッショナルもいますので、そちらの方に開催してもらえないか運営に聞いてみますね。
他にもセミナーに対する嬉しいお声もいただきいつもアンケートのご協力ありがとうございます。
今後も一緒に学べる時間を作っていけたらと思いますのでよろしくお願いいたします。
くまのこのセミナーはこちら。
2023.06.16 膵腫瘤性病変について
2023.06.23 一緒に症例検討してみよう8~膵疾患編~
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