2023.06.16に膵腫瘤についての超音波検査オンラインセミナーを開催しました。
膵臓は一般の方にとっても気になる臓器。
ミルクティーを飲んで検査というのも話題になりましたね。
そんな膵臓の腫瘤について学びました。
解説したのは
膵嚢胞、IPMN、MCN、SCN、浸潤性膵管癌です。
膵嚢胞は肝嚢胞や腎嚢胞と異なり、注意深く観察する必要があります。
それは膵嚢胞そのものだけでなく、他の部位も含まれます。
膵癌診療ガイドライン2022年版より抜粋して表にまとめたリスクファクターです。
膵嚢胞がリスクファクターのひとつとして挙げられています。
また、主膵管拡張も重要な所見のひとつであることがわかります。
同じような病変でも臓器が異なれば意味合いが異なってくることを共有できたセミナーでもあったかと思います。
ここからアンケートフィードバックです。
・総胆管計測について、左側臥位、肋弓下で撮ることが多いのですが、ガスが多くて探せない場合は肋間から探す時もありますが苦手です。
総胆管は普段は長軸走査で描出することが多いと思いますが、短軸で門脈水平脚あたりから追っていくとみえてくることが多いと思います。
また、総胆管をピンポイントで観に行くのは難しい場合がありますので、門脈本幹のすぐ体表側を走行するということを目印に探すと良いかと思います。
・肝臓の勉強会があれば参加したい
肝臓も開催予定です。
しかし大きな臓器ですので何回に分割して、どのようにセミナーを組もうか考え中です。
少しお待ちください。
・腫瘤があった際カラードプラをかけますが、その際の流速レンジはどのくらいにされていますか? また膵臓以外の臓器毎で流速レンジは変えていますか?教えていただけると助かります!
基本的には初期設定の16cm/sec前後で良いと思います。カラー ⇒ ワイドバンド(ADFなど) ⇒ パワー ⇒ SMI という形で切り替えながら観察を行い、それでも気になるときに流速レンジを半分の8cm/sec程度に下げます。流速レンジを変更する場合は、臓器別にという意識ではなく、デフォルト設定で血流信号を認めなかったけれども本当に血流(-)として良いか悩むときに下げるという認識が良いと考えます。もともと16cm/sec前後と高めなのは癌などは動脈性の血管を取り込む性質があり、それをとらえるのにあまりにレンジが低いと綺麗に描出されにくいためかと思います。ただ、最近は超音波装置の性能が向上したので小さな腫瘤で動脈性の血管をとりこみきる前にみつかったり、そもそもノイズがカットされやすくなったためにレンジをさげての確認にも価値があるようになってきたのだと思われます。
いつもアンケートのご協力ありがとうございます。
アンケートは講師との双方向性を生むひとつの手法でもあると思います。
思ったことを率直に書いていただいて、もっとこんなことが知りたいなどの要望をいただけましたら今後のセミナーに反映していきたいと思いますので、今後ともよろしくお願いいたします。
次回のオンラインセミナーの日程はまだ未定です。
10月には東京でハンズオンセミナーを開催することになりました。
私の撮像法ではありますが、みなさんと一緒に超音波検査装置を扱いながら学ぶ時間を楽しみにしております。
また、腹部超音波検査のみならず、血管(頸動脈・下肢静脈)も対応いたします。
まだ募集は始まっていないようですが、くまのこ検査技師塾さんのサイトから案内があると思いますのでよろしくお願いいたします。
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