2023年10月6日~8日、横浜で開催された第55回日本医療検査科学会に参加してきました。
旧:自動化学会 検体検査の臨床検査技師にとってはとても大きな学会と聞いていましたがはずかしながら今回ははじめての参加でした。
どうしても超音波医学会や超音波検査学会ばかりになっていたので、今回、臨床検査技師100人カイギの懇親会があることもきっかけに参加してみよう!と思いました。
POC検査のセッションを聞いて、HISやLISの連携など、そういえば総合病院にいたころは上司が考えているところをみせてもらっていたなと懐かしく思いました。
これも簡単なようにみえて様々な工夫があり、とても難しい問題を解決しているのだと思うと、臨床検査技師は検査結果を出す検査技術だけでなく、そのための経路を整えるエンジニア的な側面も近年は強くなってきたのだなと思います。
医療情報技師という資格もあることから、こちらでの活躍も今後もっと広がりそうだと感じて聞いていました。
そして、今回私がもっとも大きな収穫だと思ったのが!
ABOTTO TRANSFOMATION SYSTEM(アボットジャパン合同会社)
ランチョンセミナーで大阪大学の上野先生がお話された内容です!
このタイトル、内容からしてすごく興味があったので聞いてきました。
大学病院の検査室運営のお話で、採血室の待ち時間改善のために技師長自らが患者のふりして採血室にすわって様子をみていたエピソードがすごく好きです。
現場をみてから判断する姿勢が良いなと思います。
そこからさまざまなデータを分析して改善にもっていったということですが、その裏にアボットさんの姿がありました。
アボットといえば私からみると「免疫検査の機械のメーカー」というイメージでした。
生理部門配属ばかりでしたので業者さんと関わることもなく、超音波検査機器メーカーと異なりわざわざWEBサイトまで行って情報を仕入れようなんて思ったこともなかったのですが、その自分を恥じる発見がABOTTO TRANSFOMATION SYSTEMでした。
以前のどこかの記事でもふれたと思うのですが、私たち臨床検査技師は組織運営のプロではありません。今は日臨技で「医療技術部門管理資格」がありますが、まだまだ有資格者が少ない状況です。(私も今年こそ受かりたいです!)
検査の運営にまつわる企業の取り組みって何かないのかなと漠然と思っていたところにこの学会でアボットさんが取り組んでいることを知りました。
この学会では機器展示が大規模で、私は基本クリニックでエコーなのであまりお話を聞いても業者さんが私から得るものもないだろうと遠慮してしまっていましたが、アボットさんのブースにお邪魔してお話を聞いてきました。
システムというので、何か端末を介した情報連携があるのかと勘違いしましたが、人対人でディスカッションしながら企業のプロフェッショナルが運営を助けてくれる取り組みのようです。しかもアボットの製品を使っていないところでも利用できるという情報を聞きました。
企業でこのような取り組みをされていることに脱帽しました。私はすごく良い取り組みだと感じます。
この取り組みと医療技術部門管理資格を持つ臨床検査技師があわさればより良い効果が得られるのではないかとも思います。
今回の講演では都市部の大学病院の事例でしたが、きっと地方にも必要で、かつひとつの病院だけではなく地域全体でアボットさんと連携しながら医療体制を整えることができれば、これから訪れる様々な問題を地域として乗り越えていけるのではないかと、私は勝手にわくわくしていました。
私はフリーランスなのであんまり関係ないのでは?と思われるかもしれませんが、フリーランスだからこそできることがあると思います。
というのもできあがった組織というものはとても腰が重いのです。何を決めるのも時間がかかり、どちらかというと新しいものは拒絶する方針が強いと思っています。
先に誰かが利用したり、情報交換したりして発信し続けること、それがいつしか地域の意思決定ができる人たちのもとにも情報として耳に入り、全く知らないものから、なんかきいたことあるぞ?というものに変えること、それができるのが、こういう発信を勝手にしても誰にも怒られないフリーランスの強みだと思います。
もし、検査部所属だとこういうのも技師長に許可を得ておかないといけません。そして許可がおりないということも往々にしてあります。利害関係がなんとかとか。
こういう情報を発信してくれるアボットさんのコミュニティ「メディカルジャーニー」も教えてもらいました。
さっそく登録したので、なにか面白そうな情報が合ったら、内容としては会員だけのものだと思うので、感想やこんなの良かったというのを発信できたらと思います。
はじめて参加した医療検査検査科学会をとても満喫できました。
いつか記事にしようと思っているのですが、検体検査と生理検査の配属されている臨床検査技師の関係性に思うところがあります。内容がわからなくて無駄に思えるかもしれませんが、お互いの大事にしている学会に参加してみるのも良いものだなと思います。
その時に、ガイドしてくれるその分野の仲間がいるともっと楽しそうです。
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