2023年11月19日(日)に広島で開催しましたJSS中国33で講師を務めてきました。
テーマは「土壇場のエコー」。私は腹部領域の土壇場のエコーについて話しました。
土壇場ってどんなときだろうか?そう考えたとき、腹部エコーでは「描出困難例」および「有症状例」だと考えて話をしました。
詳細は学会参加の方のみが聞くことができますが、とても繰り返したキーワードがあります。
それが
4つの基本。
① 圧迫
② 呼吸調整
③ 体位変換
④ アプローチ方向 です。
腹部エコーをはじめるにあたって、最初に習うことであり、おさえておくべきポイントです。
しかし、この基本、意外としっかり習うことがなく、できていて当然となっていることも多々あります。また、自分はできていると思い込んでおろそかになり、それが普段の検査の描出不良につながっていることもあります。
圧迫にかんしては今夜のオンラインセミナーで話す予定です。
私にも言えることですが、基本に立ちかえる瞬間というのはとても大事です。
学会は学術を行う場であるため、どうしてもその先の「疾患をどう評価するか」「珍しい症例に対する知識」「最新の研究」を共有する場となります。
おそらく大学病院や大病院ではそれが重要になってきますが、市中病院やクリニック、健診施設では「スクリーニング」こそ最も大事です。ここで「病変を疑う」ことをしなければ大病院での精査までつながりません。
私の現在のフィールドは「クリニック」がメインです。そのため。そのスクリーニングを行う上で大事なことは何かということを話していきたいと思っております。
とはいえ、学会の主旨とずれてはなりませんので同時にいろいろと検討もしていきたいと思っています。
プローブによる「圧迫」について、今、とても興味があり、これが共有できれば「描出不良」とされている部位でもある程度アプローチできるのではないかと思っています。
JSS中国での講師を経て~感想~
普段はオンラインセミナーがメインですので、やはり壇上で話すのは一味違うなと思いました。しかし私自身はとても楽しく語ってまいりました。
一番良いなと思ったのは参加してくれた方々の反応がリアルタイムでみられるところです。
話しながらわりとみなさんの表情や様子をみていたのですが、興味をもってくれているような表情がみえるととても嬉しくなりました。
まだまだ、飽きさせることなく話す技術というのが乏しい私ですが、自分が楽しむことは大事に話したいと思っています。自分が楽しくないと他の人も楽しめないと思います。
これは大学自体の教授たちの講義のときにも感じていたことで、ただたんたんとつまらなさそうに資料を読み上げる講義はとてもつまらなくて眠気との戦いになっていたことを覚えています。対して、自分の好きな分野について熱く語る教授の話はよくわからなくても何かわくわくして聞けたし、それがのちのち「これを言っていたのか」と気づく瞬間が学びなんだろうなと思います。
今回はJSS中国の地方会員であることもあって講師をさせていただけましたが、とても貴重な機会をいただけてとても良かったと思っています。
超音波検査はこれからの医療にとっても必要な検査であり、もっと裾野をひろげていければと思っていますが、その分、検査者の重責が大きい検査でもあります。学ぶときくらい楽しく学べるようにオンラインセミナーをはじめとして私もこれからも頑張っていきたいです。
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